秀英書房

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<目次>

★プロローグ

力道山と大山倍達、ハワイでの邂逅

空手チョップ誕生秘話(昭和二十七年〜二十八年)

■すれ違う二人

■力道山がぶち当たった壁

■「わたしに空手を教えて下さい」

■炎天下の稽古

■特技は自分から掴むもの

 

★第1章 真夜中の断髪式

力道山、角界を去る

(大正十三年〜昭和二十五年)

■「シルム」の強腕

■強くなりさえすれば

■修羅の男

■喧嘩三昧の日々

■勝負の世界に棲む魔に取り憑かれた男

■一代の侠客、新田新作との出会い

■相撲界のはみ出し者

■真夜中の断髪式

 

★第2章 喧嘩無頼のカラテ屋

大山倍達、出撃前に玉音放送を聞く

(大正十二年昭和二十年)

■白虎の夢

■強い者への憧れ

■借力の達人

■倍達、日本の土を踏む

■甲府の喧嘩屋

■寸止めルールへの疑問

■特攻隊に編入

■「あの世で、また会おう」

 

★第3章 プロレス前夜

力道山、渡米す

(昭和二十五年二十七年)

■相撲への未練

■稀代の興行師、永田貞雄との出会い

■野に放たれた荒ぶる魂

■ハロルド坂田と出会いプロレスを知る

■「シュライナース・クラブ」

■水を得た魚

■力道山のプロレス・デビュー

■アメリカに修業に行きたい

■永田の後押し

■目黒雅叙園での歓送会

■日本人の戸籍をとり祖国の血脈を絶つ

■ハワイでプロレスの体をつくる

■空手チョップは孤独の世界から生まれた

■アメリカ本土へ

■空手チョップと黒のロングタイツ

■一心不乱のセメント・レスラー

 

★第4章〝辻殴りの空手家

大山倍達、山に籠る

(昭和二十年二十四年)

■マッカーサーを道連れに死んでやる

■技を見せて飯を食う

■進駐軍兵士を叩きのめす

■おれにとっての戦争

■〝辻殴り〟大山倍達の誕生

■倍達、ヤクザの用心棒になる

■人斬りノブ

■用心棒稼業から足を洗う

■藤巻照子との出会い

■博打場あらし

■大金を手に照子の家に

■倍達、ついに指名手配に

■ビール瓶切り

■倍達、父になる

■重量挙げの開祖、若木竹丸の教え

■倍達、清澄山に山籠りする

■清澄山の天狗

■倍達、ひとつの境地に達する

 

★第5章 戦後復興の輝ける星

力道山対シャープ兄弟に日本全国が熱狂

(昭和二十八年二十九年)

■冷ややかな反応

■力道山道場

■日本プロレスリング協会の発足

■永田、プロレス興行に踏み切る

■〝柔道の鬼〟木村政彦を破格の金で

■縁側付きのリング

■飛び込んできたスポンサー

■蔵前国技館、一万二千人の大観衆

■力道山、一夜にして日本の英雄に

■リキという男、千両役者だ…

 

★第6章『ゴッドハンド』誕生

大山倍達、カラテで全米を行脚する

(昭和二十六年二十八年)

■武者修行でアメリカへ

■シカゴでのデモンストレーション

■東郷三兄弟

■『ゴッド・ハンド』誕生

■秘技中の秘技、「三角飛び」

■牛を倒す

■国境を越えた大山空手

■『猛牛と戦う空手』

 

★第7章 昭和巌流島の血闘

大山倍達、力道山の奸計に激怒する

(昭和二十九年三十一年)

■力道山と大山倍達、対談す

■力道山はくり返した。「金がすべてだよ」

■プロレス興行成功裡のすきま風

■内と外のふたつの敵

■倍達、木村政彦のセコンドに

■木村政彦と大山倍達

■交わされた秘密の確約書

■牛島辰熊七段はスパイなのか

■凄惨、血まみれの木村政彦

■「大山、敵を討ってくれ」

■暴露された密約

 

★第8章 野望と敵意

力道山、命を狙われる

(昭和三十年三十四年)

 ■おれがこの会社を牛耳る

■命を狙われる力道山

■プロレスに秋風

■ルー・テーズを呼ぶ

■プロレス生みの親も去る

■三菱電機がスポンサーに

■〝黒い魔神〟ボボ・ブラジル

■テーズ来日

 

★第9章 KARATEを世界に

大山倍達、南米、アジア、ヨーロッパを廻る

(昭和三十年三十三年)

■ミスター大山は二十世紀のヘラクレス

■カポエラの達人との対戦

■ムエタイチャンピオンとの対決

■香港で会った大極拳の大家

■悲願、三段蹴りの完成

■メキシコ闘牛場での死闘

■あの牛は「クリミナル」だ

■「What is KARATE」の大ヒット

■FBIからの招聘

■総本山「極真会館」の建設

 

★第10章 二人の愛弟子

馬場と猪木、対照的な育成方法

(昭和三十一年三十七年)

■敗戦国の円など紙切れ同然

■「クラブ・リキ」の成功

■「映画は、やがて駄目になる」

■プロレスの世界リーグ戦

■後継者探し

■元巨人軍投手・馬場正平

■猪木完至、当年十七歳

■馬場には王道を、猪木には修業を

■馬場対猪木

■噴き上げる嫉妬と羨望

 

★第11章 未完の夢

力道山、刺される

(昭和三十六年三十八年)

■税金と借金に追われ、眠れない日々

■祖国への帰還も家族は三十八度線の向こう

■北朝鮮の娘

■栄光に忍び寄る影

■ニュー・ラテンクオーターの惨劇

■「山王病院に行け」

■『力道山刺される』

 

★第12章 虎は死して皮を残す

極真空手の隆盛と倍達の死

(昭和三十八年平成六年)

■極真会館、ついに完成

■全日本空手道連盟入りを断る

■空手は武道である。スポーツではない

■在日のヒーロー

■生涯をカラテに捧げた男

2024.10.08

数と数字の現場は「いつ」「どこで」

2024年9月5日(木)22時35分
緯度35.685175°、経度139.752799°
「いつ」と「どこで」こそ、数と数字の現場です。
時間、暦、地図は個人のものではなく、基本的に国家が作るものです。国家は国境線とともにあり、そのエリアの暦を作るために天文台を作ります。
数と数字の現場である「いつ」と「どこで」を手にいれるための必要な技術が、小学校、中学校、高等学校で学ぶ数学です。
「いつ」と「どこで」を結ぶフィールドこそ我が地球です。
1秒は地球の自転周期の 86400分の 1、1mは北極から赤道までの子午線弧長の1000万分の1と定義されたことからわかります。どちらも「計算」することで初めて私達の前に現れてきました。
すべては私達が地球上で安心して便利に生きるためです。いったい、人類は正確な時計と精密な地図を手にするまで、どれほどの時間を費やしたのでしょうか。
時計と地図を作り上げるのに必要な目に見えない道具が「数」です。この数を操る高度な技(わざ)が数学です。
目に見えない数を操る技、数学もまた見えない存在です。それが数学の難しさの根源です。
私達人類は、目に見える時計と地図を作るために、目に見えない数学を同時に作ってきたということです。

サイン、コサイン、タンジェント

サイン、コサイン、タンジェントという言葉は、リズミカルな響きを持つ反面、学ぶにはいささか面倒でけっして容易ではありません。
これら三角関数こそ、星の軌道と地球を測るために二千年以上昔に考え出された言葉です。
地図を作るための道具──三角関数は、二千年の間に地図を作ることの枠を超えて数学の世界を開拓する強力な道具に進化してきました。
サイエンス、エンジニアリング、テクノロジーのあらゆる分野に必要とされる言葉になっています。

サイエンスナビゲーター、誕生

私は2000年にサイエンスナビゲーター(R)に変身しました。
当時、大学院に行きながら予備校で高校生に数学を教えるアルバイトをしていました。受験のためだけの数学を高校生に教えることに、得も言われぬ違和感を感じながら教壇に立っていました。
高校生は、サイン、コサイン、タンジェントと3年間付き合います。
1年生で三角比としてのサイン、コサイン、タンジェントに出会い、2年生で突如、三角比は三角関数に変身し、おびただしい数の公式が目の前を通り過ぎていきます。
そのせいで、ここで数学を学び続けることを断念する者も出るほどです。理系に進んだ3年生は、微分積分の中でさらなる三角関数との深い付き合いを余儀なくさせられます。
高校生は叫びます。「なぜこんなに三角関数を勉強しなくちゃいけないのか!三角関数は将来自分の人生になんの役に立つというのか!」と。
現場の数学の先生たちは生徒たちのこの問いにまじめに返答したくても、受験指導優先の現実がそれを許しません。ついぞサイン、コサイン、タンジェントの物語は語られることなく高校数学は終了します。
数学は受験のためだけにあるのではありません。にも関わらず、わが国では多くの子どもたちが数学の試験に翻弄される厳しい現実があります。
そのような状況におかれた高校生を目の前にして、サイエンスナビゲーターは誕生しました。授業で取り上げられることがほとんどない「数学とは何か」というテーマを語り始めたのです。数学を教えるのが教師、サイエンスナビゲーター(R)は数学を語ります。

ジョン・ネイピアとの出会い

数学は人によって作られ、そこには過去・現在・未来があること。数学とは物語であること。数千年の時を越えて世界中で1ページずつ真実だけが綴られてきた途方もない分厚い書物こそ数学なのだと。
人が紡ぎ出した壮大なる物語 -数学- を「教える」のではなく、「語る」ことの価値に気づいたのです。
「人と星とともにある数学」を語るサイエンスナビゲーターの誕生のきっかけは、対数の生みの親であるジョン・ネイピアとの出会いでした。
私が高校で対数を初めて習った時、その意義の不明瞭さに怒り心頭でした。2^3=8を3=log_28と書き換えることの目的が全く理解できませんでした。
そんなときタイミングよく1冊の数学書の中でネイピアの記述を見つけました。
ジョン・ネイピアは400年前、スコットランドの城主であったこと。ネイピアが考案した対数は、天文学者が行う天文学的計算を克服するためだったこと。その結果、大航海時代の船乗り(ナビゲーター)の命を救うことにつながったこと。そして、ネイピアは後半生の20年をかけて対数表を完成させたこと。
すべてが、私にとって青天の霹靂でした。私は予備校でネイピアのことを高校生に語り始めました。
ついには講演作品「ジョン・ネイピア対数誕生物語」に結実しました。舞台で、映像と音楽を駆使し、まるで映画のように数学を語る新しい講演スタイルができていったのです。
すべてはネイピアの人生が映画のように感動的だったからです。さらには、数学以外の世界を数学という軸で斬っていく「数学エンターテインメント」が誕生しました。

星こそ、数学の原風景

はたして現在、サイエンスナビゲーターⓇはこれまで1000回を越える講演を全国、海外で行っています。この数学エンターテインメントはジョン・ネイピア対数誕生物語から始まったのです。
サイエンスナビゲーターとは、科学の道先案内人という意味ですが、肝心の「数学」が入っていません。
それは数学が嫌いな人に対して「数学」という言葉を使いたくなかったからです。ナビゲーター(航海士)は、船乗りの命を救おうとしたネイピアへの思いを重ねた言葉だったのです。
ネイピアと対数に導かれたサイエンスナビゲーターⓇは、徐々に三角関数の重要性に気づいていくことになりました。発端はネイピアの対数が「三角関数の対数」だったことです。
三角関数の源流に流れる幾何学(geometry)とは、大地(geo)を測る(metry)を意味する言葉です。私たち人類の足下にある地球と天にある星こそが、数学の原風景だといえます。
三角関数とは、星の光に導かれて人類が手にした言葉だったのです。ネイピアによる三角関数と対数の関係は、数学者オイラーによってさらなる高見へと昇華することになりました。ネイピア数eの発見と微分積分学の建設です。
ところで、ネイピアとの出会いの前に私は三角関数に出会っていました。
関数電卓にsin31°の値が0.515038…とはじきだされる風景です。「なぜsin31°が計算できるのか」。小学校6年生の疑問は、その後私を実に様々な風景に運んでいってくれるものになりました。
数学の風景を人類が歩んできた数学の風景に、サイエンスナビゲーターが眺めてきた風景を重ね合わせてこれからも語っていきます。
桜井 進

2025.05.07

ジュンク堂書店 名古屋店さんに伺った後は、
無性にカレーが食べたくなります…。

なんと目当てのカレー屋さんが臨時休業!…ということで気を取り直し、すぐさまプランBの“ネパールステーション”さんへGO!
店内に入ると真っ先にネパールの偉い人のような肖像画が何枚も目に入ってきます。天井を見上げるとネパールを感じさせる(行ったことはありませんが)異国情緒豊かなライトです。
ネパールの方と思われる店員さんがとても陽気で流暢な日本語で説明してくれます。私が選んだのは“ネワリサマエバジ”セットです!
「あーネワリサマエバジね!」という人は少ないと思いますので解説しますと、「ネパールのネワール族が祭りなどで食する料理」だそうです。
私はネワール族でもありませんし、“祭り”ではなく“出張”ですが、これを選びました!
特徴的なのは、中央にあるのが炊いたご飯ではなく、“チウラ”という干し飯なのです!“干し飯”なんて戦国時代を舞台にした小説でしか目にしたことがありません!
…ですが、クリスピーな食感がとても良く、各種食材、スパイシーなカレー風味とも良く合います!これなら毎日でも食べたいですね!
ネパールステーション
愛知県名古屋市中区丸の内2丁目 14-15