秀英書房

今月の新刊

不世出の二大巨頭力道山と大山倍達

大下 英治 / 著

ジャンル:ノンフィクション
出版年月日:2024年8月19日
ISBN:978-4-87957-156-4
判型・ページ数:四六判並製・426ページ
2,530円(本体2,300円+税)

内容紹介

戦後の動乱期から這い上がった「プロレスの父」力道山と「ゴッドハンド」大山倍達。「カラテ」で結ばれた二人の天才格闘家は 2024年に力道山は生誕100年、大山倍達は101年を迎える。敗戦後、意気消沈する日本人にカラテチョップで勇気と自信を取り戻させた男、力道山。技の奥義を極め世界中に「オーヤマカラテ」を広めた大山倍達。野望家と修行者、まったく生き方の異なる二人が「昭和の巌流島の決闘」で交差する。昭和を圧倒的な熱量を放ちながら駆け抜けた二人の生涯の光と翳を描く長編ドキュメント。
この書には二人の邂逅、友情、遺恨が書かれているが、これについて知る人はあまり多くない。二人の対決がもし実現していたらと思いを巡らすのは、格闘技を愛するものとしてはいつの時代でも胸を沸かせるだろう。年齢が1歳しか違わない二人はそれぞれ、修行のため世界を転戦し、各地の強豪を撃破して当時の戦後復興期の日本国民を歓喜乱舞させ、やがて怪物へと変貌していく。日本の格闘技界に多大なる貢献をした両雄の語られることのなかった生い立ち、そして政財界、裏社会を巻き込んで怪物となっていく過程は当時の日本社会全体の勢いを事細かに著しており、またその後二人の活躍、死を迎えるまでの劇的な人生を鋭くえぐり炙り出している。この書における二人の生き様は昭和史の陽と陰を語るにあたり、欠かすことのできないものである。格闘技愛好者にとって必見の一冊である。

著者について

大下英治(おおした えいじ)
1944年6月7日、広島県に生まれる。1968年3月、広島大学文学部仏文科卒業。1970年、週刊文春の記者となる。記者時代『小説電通』(徳間文庫)を発表し、作家としてデビュー。さらに月刊 文藝春秋に発表した「三越の女帝・竹久みちの野望と金脈」が反響を呼び、岡田社長退陣のきっかけとなった。1983年、週刊文春を離れ、作家として独立。以降、政治経済から芸能、犯罪、社会問題まで幅広いジャンルで創作活動をつづけている。著書は、『十三人のユダ 三越・男たちの野望と崩壊』『美空ひばり・時代を歌う』(以上、新潮社)、『闘争! 角栄学校』『一を以って貫く 人間 小沢一郎』(以上、講談社)、『不屈の横綱 小説千代の富士』(祥伝社)、『週刊文春 トップ屋魂』(イースト・プレス)など五〇〇冊以上にのぼる。近著に『論語と経営 SBI北尾吉孝(上・下)』『石原慎太郎伝』『内閣総理大臣』(エムディエヌ)、『最後の無頼派作家 梶山季之』『ハマの帝王 横浜をつくった男藤木幸夫』『任侠映画伝説 高倉健と鶴田浩二(上・下巻)』(さくら舎)、『安倍晋三・昭恵 35年の春夏秋冬』(飛鳥新社)、 『「政権奪取」小沢一郎、三度目の挑戦』(東峰書房)などがある。